8月中旬あたりには40℃近い猛暑に見舞われ、後半には打って変わって冷夏。　夏休み後半は長雨で長袖の出番もあった。　気象も昔とはだいぶ変わってしまった。　天気の急変、予想がしづらくなっている？　と思うのだが、気象予報の分析技術も発達して詳細なデータを個人でも簡単に入手できる時代でもある。　僕は入手したくてもデータを受ける端末が無いので、昔ながらの五感に頼るしかない。

　先日の金曜日、定休日なのだが仕事で原宿まで行っていた。　用事を済ませた2時半ごろだったか？　いきなり雷鳴が聞こえ、直ぐに土砂降りになった。　運悪く、原宿駅に向かう途中であった。　小さな折り畳み傘はカバンに入っていたのだが、この土砂降りでは腰から下がずぶ濡れ状態。　ビルの駐車場などで雨宿りをしている人も多く見かけたが、面倒なのでそのまま駅に向かった。

　ＪＲ原宿駅のすぐ横のメトロ千代田線、明治神宮前駅の入り口の階段を降りようとすると、雨がやむのを待つ人で階段もびっしり。　僕は下半身ずぶ濡れの姿で人をかき分け下りて行った。




こんな時は傘と併用して長めのポンチョが役に立つ。


　「ポンチョ、カバンに入れておけばよかった…」　とは思うのだが都心の、それもオシャレな原宿、青山あたりで雨が降りだし、ここぞとばかりカバンの中からポンチョなどの雨着を取出し、勝ち誇ったように歩くのもチョッと恥ずかしい気がする。

　テレビのニュースなどでは　「今日は都心でも午後、雷雨に見舞われ…」　その時の映像が映し出される。　大抵は若いＯＬさん達がチョッとカメラを意識しながらキャーっと言いながら小走りにビルの中に逃げ込んで行ったり、背広姿の会社員もカバンを頭の上に乗せ走って行く姿が映し出される。　それが都会の急な雷雨時のよく見る光景である。　　

　もし、そのニュース映像の背後にポンチョ姿の完全雨対策装備で悠然と歩いていく姿があったら、やはり都会の雷雨シーンのそれではない。　やはりＯＬさん達が　「キャーッ！」　の方が都会である。

　乗り込んだ電車のドア近くで、そんなつまらぬことを考えていた。　冷静に自分の姿を見ると下半身びしょ濡れ、それも腿から下なので、股のアタリからズボンの色もクッキリと変わっている。　座席も空いていたが濡れたズボンでは周りも迷惑だろう。　周りを見ると濡れた傘を手にする人は見かけたが、ここまで濡れている人はいない。

　帰路に就く電車なので都心から千葉方面への下り電車。　地下鉄が地上に出ると外は晴れていた。　途中の停車駅から乗ってくる人が僕の下半身に目を向ける。　濡れたズボンの色がクッキリ、スニーカーもビショビショ。　『さっきは土砂降りで…』　照れ隠しに持っていた傘を強調したりする。　しかし傘はすでに乾いていた。

　西船橋に付き、家に帰る途中、建設中のビルの警備員さんに訊いてみた。　「こっち雨降りませんでした？」　やはり僕の下半身に目をやりながら　「全然、降りませんでしたよ」　歩道を見ても小さな水たまりすらなかった。

　そんな都会的な雷雨シーンを体験した日であった。　自慢にならない。

　でも都会人はすぐさま逃げ込む場所をわきまえていて、やむまでそこで待っている人が結構いた。　そういえば豪雨の中、半身ビショビショで歩いている人はいなかった気がする。　やはり、最新気象情報を端末で事前に入手して、降りだしたら直ぐにビルに逃げ込む…。　これが都会人だ。　でもこれは都会での急に雨が降り出した時の光景を言っているだけで、やはり雨と分かっている時には事前に雨具が必要だ。

　今は五感頼りの気象の読みはできない時代だ。　、傘とは別に長めのポンチョがあればそこまで濡れずに済んだのは事実だ。　それにこのところの雨続き、僕のポンチョは犬の散歩で使った後、そのまま玄関に掛けっ放しだった。

2015-09-06 20:45:07

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