毎朝、大体決まった時間に犬の散歩に行く。
近所の公園でも同じ時刻に犬の散歩をしている人と出会う。 お互い軽く会釈をする程度である。
ウチの犬は他の犬とのコミニュケーションを持たない犬である。 犬連れの数人が寄り集まって立ち話をしているのを見掛けると、遠巻きに避けて通るくらいだ。 飼い主本人もその輪の中に入りたがらない方なので、ある意味好都合だ。 ウチの犬もそろそろ老犬の仲間入り、この公園では古株のほうである。 公園で見かけるほとんどの飼い主は僕の事も犬の事も知っているはずだ。 当然、犬の性格、飼い主も無愛想そうで、話の輪には入らない人だということは知っているはずだ。
朝の同じ時間帯に見かける犬連れのオバサンがいるのだが、その人は同犬種の小型犬を3匹連れている。 3匹を繋ぐリードはビヨ~ンと長く伸びるタイプの物だ。 3~4mは伸びているだろうか。 近くに他の犬がいない時などは、犬にリードを繋いだまま、手からリードを放して遊ばしていることがよくある。
遠くから僕がそちらに向かって行くのに気が付くとリードを拾い上げる。 僕もこちらに気が付くまでゆっくりと歩を進めたりしている。 時には面倒なのでコースを外して通り過ぎたりもしている。 本来、こちらが譲歩する理由などない。 犬を放すこと自体、間違っている。 頻繁に目にするので、こちらもいささか頭に来ていた。
先日、またその光景を見たので今回はそのままの歩調でそちらに向かっていった。 オバサンは3匹のうち2匹を放していた。 結果は分かっていた。 20m位まで近づいた時に放れている2匹の犬がこちらに突進してきた。 「キャー!やめなさい!」 リードの持ち手を拾う間もなくウチの犬にキャンキャンわめきながら絡みついてきた。 ウチの犬の方が体もデカイ、見た目も怖そうである。 オバサンは青くなったに違いない。 しつこく絡みつかれてはウチの犬も黙ってはいない。 ドスのある声で吠え立てている。 もちろん、僕がリードを短く持って、咬みかかるまでは行かないように制御はしている。 ウチの犬もウザったさで吠えているだけで、咬みつくまではしないだろう。 逆にこちらが2匹に咬まれたらいい迷惑だ。 小さい2匹は興奮状態で今にも咬みつく勢い。 オバサンはようやく引き綱を拾い上げて犬を遠ざけた。 「オイオイ、放すんじゃね~よ! 迷惑するのはこっちだろ!」 飼い主も犬同様ドスのある声で一喝した。
「犬も怖そう、飼い主の見た目も怖そう。 実際、怖かったのよ。 以前から犬の井戸端会議の輪にも入らないし…」。 きっと後日、公園で愛犬仲間にこの出来事を話しているに違いない。 僕は何と思われようが一向に気にしない。
今朝、犬を散歩していると普段は軽く会釈くらいはする別のオバサンがいた。 僕の姿を見ると、こちらを避けるようにコースを外していった。 「ん?あの一件、伝わっているな…これでこの公園で犬を放す行為も少しは減って来るかな?」
そう期待しながら、今朝は公園内を堂々と直進していった。
2015-11-19 09:53:34
店長日記
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