豚インフルエンザが各国で緊急事態宣言を出すなど大問題になっている。 メキシコの映像をニュースで見ると、軍まで出て事態に対処しているようだ。 これを見て、ある映画を思い出した。 14~5年前になろうか 「OUTBREAK」(邦題もそのまま「アウトブレイク」) というダスティンホフマン、モーガンフリーマン主演の映画があった。 アフリカから持ち込まれた一匹のサルが元で発症した、空気感染型のウィルスで、アメリカの小さな町全体がウィルスに汚染する。 それがアメリカ全土に広がるのを恐れ、軍によって町が封鎖され、それにとどまらず町全体を軍によって焼き払い、ウィルスを消滅させる、という内容だ。 この映画、俺にとって大変思い出深い物だ。 というのも、14~5年前に、よくハテナ堂に来ていたアメリカ人のR,Eさんと言う友達がいて、彼が帰国する際、「アメリカに来る事があったら是非寄ってくれ」 という社交辞令ではあるが、そんな言葉を真に受けて翌年、彼のお宅に行ってしまった。 カリフォルニアでもオレゴン州に近い、ユーリカ(EUREKA)という所だ。 夏でも涼しく、冬には雪も降るという場所で、美しい海岸線があり、レッドウッド、セコイア杉という巨木がそびえ立つ、深い森を背後に従える、アウトドアマンにとっては聖地のような所だ。 滞在中、どこか近郊でいい所あるか尋ねると 「ファーンデール」 という美しい町があるという。 そこで、空港から借りっぱなしのレンタカーで2時間ぐらい走らせ行ってみた。 なるほど町にはペンキが100年間、何度も塗り重ねられたような、アーリーアメリカン調の建造物が建ち並ぶ、静かな美しい街だった。 そこで雑貨店に立ち寄ると、主人に声をかけられた。 「これ見てみなよ」 見せてくれた写真は迷彩服を着た、俳優の「ダスティンホフマン」が、バースデーケーキを前にした写真だった。 詳しく聞くと、今この町で、ある映画のロケをやっていて、ホフマンが何歳かの誕生日だったらしく、ここでバースデイパーティーをやった、とのこと。 しばらく話していると、外のメインストリートから駐車中の車をどけてくれ、というメガホンの声。 店主によると、これからまた映画の撮影がはじまるらしい。 なるほど小さな町ではあるが、そこには人だかりもできている。 行ってみると、まさにロケ現場の雰囲気!人だかりに混じって見ていると、なにやらエキストラの参加を呼びかけているようだ。 一人に聞くとペットショップから動物(サル)が逃げるシーンを撮影しているとのこと。 さらに彼女自身も逃げ惑う群集の1人として、エキストラでの参加を待っているという。 「あなたもどう?」 俺も参加を薦められてしまった。 『うーん、悪くないな~。何の映画だか判らないがやってみるか!』 エキストラ待ちの群集に混じってその時を待っていた。 しかし1時間、2時間…。 なかなか始まらない、準備が整わないらしい。 この町の住人なら何時間も待ち続けるのだが、こっちは別だ。 これから友人宅に不慣れな道をまた2~3時間車を走らせ、帰宅しなければならない。 彼も家族も心配するだろう。 これ以上待てない。 後ろ髪ひかれる思いで (後ろ髪は既に無かったが…)その場を後にした。 今にして思えば、逃げ惑う白人の群集の中で”謎の東洋人”のワンカットも観たかった。 帰って友人に話すと 「もったいない~!」英語でなんと言ったか覚えていないが、そんな事を言われた。 彼に聞くと 「OUTBREAK」 という映画だと、その時に聞かされた。 ユーリカの空港を離れる時、軍払い下げのアパッチヘリだかコブラだか判らないが数機、滑走路脇で見かけた。 きっと映画に使われたのだろう。 この映画、アメリカではその秋に公開され、日本では確か翌年に公開され、早速、映画館に飛んでいったものだ。 ウソのようで本当の思い出ではあるが、この映画のような事が15年後に現実に起こっている。 この思い出、親しい友人にしか今まで話さなかったが、今起きている豚インフルエンザ問題、あまりにもその映画を彷彿させ、タイムリーだったので取りあげてみた。 もし、その時にエキストラで謎の東洋人として、チョットでも映っていたら、この店長日記も少しは反響が違っているだろうか…。 インフルエンザ、大変な事態ではあるが、ゴールデンウィークに暇な人、ぜひこの映画 「アウトブレイク」 レンタルして観てください。 今見ると結構、現実味を帯びて伝わってきます。 それとロケ地の美しい街並み、謎の東洋人はいませんが…。 多分近々にTVでもやると思いますよ、こんな事態ですから…。
店長日記 2009
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