3・11の地震により、いつも利用している最寄の航空貨物会社の保税庫が被害に遭い、この半年間、荷物を業者で通関、ウチに直送してもらっていた。 成田に直接行って、自ら通関して荷物を出してくればいいのだが時間的に大変! 仕方なく、かなりのコスト高だが業者に頼んでいた。
最寄の保税庫持ちの業者を探していたところ、なんとか見つかり通関、受け取り作業に行ってきた。
「ハテナ堂さん、久しぶりだね・・・」 税関に書類の提出に行くと顔見知りの税関の方に言われた。 向こうも事情は知っている様だったが。
「ハテナ堂さん、久しぶりですので荷物、検査させてください」 『…え!検査!また時間がかかるんだ、これが…』 この場所での 「久しぶり」 のあいさつの答えはこんな形で帰ってくることが多い…。
書類の確認、内容物確認、X線検査…。 また保税庫がある業者に車で戻り、今度はX線検査のできる場所へ荷物を保税扱いで運ばなくてはならない。 輸入許可が出ていないので入国できていない状態だ。 書類付きで保税倉庫業者さんを乗せ移動。 そこに税関員の方3名も到着。
「開けますよ~」 箱すべて開けた。 「…? なんですか、これ?」 税関員。 『ネクタイですね…』 と俺。 見ると商品を枚数ごとに使い古しのネクタイで束ねてある。 俺もこんなの初めてだ。 USEDウェアなので別にかまわないが滑稽である。 「このネクタイ、インボイス書類に書いてないですね…」 おいおい、これ紐と一緒でしょ! このネクタイまで輸入したわけではないぜ。 書類に書いてないから密輸? 税関の方のマジで言っているのだか冗談だかわからない。 結局、ヒモ扱い。 当たり前だ!
INVOICE 内容物の書類と枚数が合わない! おまけにパンツ3枚、書類にはないオマケ付き! 参った! 「書類、アメリカの業者さんにもう一度、事情を説明してFAXなりメールなりで正確なものを送ってもらえませんか?」 税関員の方が言ってきた。 こんな事をしていたら保税庫の保管料、通関期日も延びてしまう…。 参った! 「ま、今回はハテナ堂さんがINVOICEに追加項目を設けて加算して下さい」 助かった…。 はじめに挨拶した税関員の方だった。 後で通関書類を提出しようと通関セクションの奥を見ると、その税関員の方が、偉い方が座る席で書類に目を通していた。 最終的に通関許可を出す役職のようだった。 何とか通関完了! また保税庫に戻り、書類提出。 保税業者に取扱料を収め荷物を店に…。
似合うか!?
今日は疲れた…。 いつもの竹馬の友にメールして帰りがけにビールを頼んだ。 店を閉めながら入荷した荷物を出し、例のネクタイをまとめていると彼が来た。 「何だこのネクタイ?お前ネクタイには縁がないよな」 彼に事情を説明…。 「この色いいや、もらっていくよ!」 お勤め人の彼はネクタイを手に取り嬉しそうに第3ビールのプルトップを開けていた。
2012-10-30 21:58:00
店長日記 2011
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