先週の定休日、夕方に市川にあるショッピング・センターに買い物に出ていた。
そこに行くと必ず本屋に立ち寄る。
本を立ち読みし、しばらく店内をまわっていたら、立ち読みしている男性のパンツに目が行った。 「あれ!? うちの店のものだ!」 普通のカジュアルショップでは販売していないし、ミリタリーショップでもほとんど見かけない迷彩のパンツである。
パンツから目線を顔にやると、うちに来るお客さんの一人であった。
「こんにちは!」 彼に声をかけた。 「あれ! ハテナ堂さん、何でここに…?」 急に背後から、男性に声をかけられたのと、それが僕だったので驚いた様子だった。 「食材なんかの買い物にね…。 割とすいていて定休日の金曜日にはよくくるんだよ」 こう答えると、ちょっと意外な顔をしていた。
当然だが、いつも店でしか顔を合わさない、いつも店にいて当然、店にいる僕しか見ていないので尚更だろう。
その彼が今日、店に立ち寄ってくれた。
「先日はどうも!」 お互い笑いながら、その日のことを話した。
「すぐにわかったよ。 その柄だもの。 それに自分のところで売ったものだしね…」 「インパクトありますよね! この柄。 街中だと迷彩効果ゼロですよね。 街中での服の迷彩効果を求めるんだったら、あれでしょう!」 「何?」 「街を歩けば必ず着ている人に出会う大手アパレルメーカー、販売店・・・・の服でしょ!」
確かにそれは脱個性、シンプル、格安!?…が売り。 それが今の時代、ご時世にマッチしたのか、巨大にまい進し続けている。 たまに僕もそこの店内に入ってみると確かに面白みにかける気がする。
個性的、脱個性的…。 どちらが良い悪いではなくて両方をうまく取り入れてファッションを楽しんで、自分なりの個性を演出すれば面白いのではないのかなぁ…と。
「これカッコいいですよね! ペンキのつき具合が…」 軍放出品のUSEDのM-65ジャケットを見て彼が言う。
「そう思う!? それも人それぞれだよね…。 大抵は ”これ売り物ですか?” だよ…」
例の柄のパンツがお気に入りの彼だけあって、今ブームの脱個性服とは無縁のファッションセンスだ。 だからと言って突拍子もないカッコをしているわけではない。 僕から見てもうまくミリタリーを取り入れて着こなしている。 だからペンキ付のジャケットを見てもカッコいいと言う。 多分彼ならうまく着こなしてしまうはずだ。
「そうそう、このパンツの違う色の物、買って行きますよ…」
色違いのパンツも購入してくれた。
「なにかクリエイティブな仕事しているの、デザイン関係とか…?」 やはりセンスというか感性というか、そんなオーラも感じるので聞いてみた。
「まぁ、広告関係のデザインなんかを…」 やっぱりね! 僕よりもずっと若いが、年齢的にも若者という年齢ではないはずだ。 それでも個性的なファッションが板につく。 それも理由の一つなのか…。
「みんな同じじゃ、つまらないじゃないですか。 みんなと同じだと安心感があるのは分かるけど…僕としてはねぇ。 ファッションも楽しまなくっちゃ!」
そんな言葉を残して帰っていった。 僕も同感! 幾つになっても柔軟でクリエイティブな頭で物事を考えなくっちゃ! そう思いながら薄くなった頭をマッサージしている自分がそこにいた。
2012-03-20 22:59:00
店長日記
| コメント(0)