「これありますか? これに付けるやつ…」
先日、入ってくるなり持っていたM-65ジャケットを差出し、これに取り付けるフードが欲しいという。 ちょっと東北なまりがある話し方だ
「え!今ある在庫はイレギュラー品だけで、まともな物は完売です…。 HPでも在庫切れにしてありますが…」
「…パソコン持っていないんで。 そうあの本見て来たんですが」
彼は店に置いてあった SURPLUS BOOKという本を指さした。 去年の11月に出版されて、ウチの店、商品などが掲載されている。
「どこから来たんですか?」 「福島です。 車で下道を使って5時間かかりました。 国道14号を目指して…」
「え! 悪かったね…。 電話で確認してくれれば良かったのに…」
彼の表情は落胆している。
「ちょっと見てみるよ、イレギュラーでもいいものがあるかもしれないから。 それでもいい?」 使えそうな物を探してやった。
その中から良いものを見つけ格安で提供してあげた。 彼の顔に笑顔が戻った。
取り付け方が分からないというので、持ってきたM-65に取り付けてあげた。
「ありがとうございます。 着た甲斐がありました。」 彼は目的を達成したのか、店を出ようとしていた。 「これ一つの為に福島から5時間かけてきたの? ガソリン代かけて…」 チョッと呼び止めて聞いてみた。 「えぇ…」
「先日、アメリカからSURPLUS サープラス品入ったばかりで、サイズが合いそうな物が今だったらあるよ。 見ていったら?」 わざわざ遠路はるばる来て、フード一つじゃ…。 そう思い彼に合いそうなお手ごろな値段のUSEDのシャツを見つけてやった。
「いいですね~。 サイズもぴったりですよ。 これも買っていきます」
違う収穫があってもいいはずですよね。 お勧めしたのも千円代のシャツだし、フードと合わせても三千円はいかない…。 燃料代かけて5時間かけて福島の郡山から来たのですから。
最近では珍しい行動派?の若者。 パソコンがなくても雑誌の情報だけで。 でも電話を一本かければ在庫確認できるし、通販だってできる。 きっと五月晴れの日曜日、ドライブがてらに来たのだろう。
車離れの今、ガソリンも値上がりしている中、やはりチョット変わったお客さんだった。
遠くからありがとうございました。
2012-05-17 08:07:12
店長日記
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